2017年12月28日木曜日

全日本プロレス中継の歴代ED曲をまとめてみた




*2018/12/31 訂正・追記 

前記事からちょうど1年近く経っている件。


前置きはさておき本題。


かつて日本のプロレス団体は90年代までメジャーと呼ばれる新日本、全日本の2台巨頭が存在し、それぞれテレビ番組で試合を流していました。


新日本プロレスは今でも放送されている日本屈指の長寿番組であるテレビ朝日系列の
ワールドプロレスリング」(1972~)

かたや全日本プロレスは2000年に放送終了した日本テレビ系列の
全日本プロレス中継」(1972~2000)


ワールドプロレスリングは2000年代以降から様々なアーティストをEDテーマに起用し、今では「ファイティングミュージック」としてお馴染みになっています。

ワールドプロレスリングに起用されたED曲は膨大な数とはいえ他サイトや当ブログにおいてもリストが作られているのである程度は把握できます。

2006~2009版はこちら
2010~2012版はこちら
2013版はこちら


しかし全日本プロレス中継で使われたEDテーマは


・オリンピアとNTVスポーツテーマくらいしか有名じゃない
・使われた曲のリストがあんまりない あっても断片的)
・放送終了が17年前とのこともあって資料が少ない
・ネットであんまり話題になってない


なので今回は全日本プロレス中継のエンディングで使われた曲をまとめてみよう!という痒いところに手が届く内容です。


全日本プロレス中継の歴代ED曲をまとめてみた




昔の全日中継は基本的に次期シリーズの日程紹介の画面にあわせて
ntvスポーツテーマや時期に合わせてオリンピア等が流されていました。(例外有り)




動画のntvスポーツテーマ、細かく言うと他バージョンが幾つか存在します。(把握できてない)


そこから転機が訪れたのは1993年。春の番組改編期辺りで前述のntvスポーツテーマから様々なアーティストの曲が起用されるようになります。


ED画面 右上がEDアーティスト名


初期は番組ゲストにきた芸能人や全日の選手関連の曲など身内ネタ感漂う選曲でしたが、
日テレ関連のアーティストを中心としたタイアップ側面が強くなっていきます。


また年末や一部特集によってはセルジオ・メンデスの「オリンピア(inst)」が例年通り使用されています。





注意! このリストは不完全版です。いくつか詳細不明の箇所があります。ご了承下さい

1993年


・4月頃~

GAO - 「天国と地獄の日々」

収録アルバム:「GAO誕生



当時人気全盛だったGAOのデビューシングルから。

使われた時期は短かったのですが、インパクトが強かったのか2003年に様々なプロレスの曲を集めたコンピレーションCD
J プロ・格探偵団 プロレス・格闘技 秘蔵曲コレクション」に収録されました。


・5月~

早坂好恵  -  「ガンバロウ」

収録シングル:「ガンバロウ」




元祖プ女子のアイドル、早坂好恵さんのシングルから。
実際のEDではサビの「ガ-ンバラナクッチャー!」というインパクト大きめの部分が使用されています。
同年発売のアルバム「HAYASAKA」にも収録。

全日本プロレス中継にもゲストで出演していたり、当時からプロレスフリークが有名だったゆえの選曲と思われます。


ハイテンションで応援するHAYASAKA氏




・7月~

筋肉少女帯 - 「くるくる少女」

収録アルバム:「UFOと恋人



格闘技・プロレスフリークとして有名な大槻ケンヂ率いる筋少の名曲より。
大槻さんも先述の早坂さん同様、全日本プロレス中継にゲストで来てたりしていました。


副音声ゲストで福沢アナと一緒に


・8月末~

ささきいさお  -  「たたかえ!キャシャーン」

70年代のアニメ「新造人間キャシャーン」のOP曲

三沢選手の愛唱歌とテロップで表示されていました。


唐突な十八番ネタ



1994年


・1月

アリス  -  「狂った果実」
収録アルバム:「ALICE VIII

田上明選手の愛唱歌とテロップで表示


十八番シリーズ第2弾

ちなみにamazonだとオリジナルアルバムは割と高値がついています。
(2017年現在で\6870)


・3月末~

米川英之 -  「君よ、夢を語れ」
収録アルバム:「HALF TONE SMILE

元C-C-Bのギター担当、米川氏のソロアルバムより
この辺りからアーティストのタイアップが増えてきます。


そして番組改編の4月になると全日本プロレス中継は
全日本プロレス中継30」とリニューアル。
ED画面も試合映像をバックにしたものに変更となりました。


初回はCC公式戦 川田×ウイリアムス


・5月末~

田代まさし 大神いずみ (マーシー&いずみ) - 「真夏のエクスタシー」
収録シングル:「熱帯夜/真夏のエクスタシー」

時の人だった田代まさしと当時の日テレキャスターだった元木夫人がコラボしたシングルより。
2人が当時司会をしていた番組「頑張る!TV」のEDでした。
曲のオリジナルはラッツ&スター

大神アナは全日本プロレス中継では番組内のコーナーでちょこっと登場してました。(三冠初戴冠の三沢選手に試合後インタビューしたのも彼女)

92年、三沢にマイクを向ける大神アナ


・7月末~

マイティ井上  - 「エマの面影」
収録シングル:「エマの面影」

当時現役選手だったマイティ井上が80年代にレコードでリリースしたシングルより。
ムーディな曲調とマイティの甘い歌声が絶妙。
画面の試合映像とのギャップが逆にシュールな印象を与えます。

ちなみに2017年現在CDは出ていません。


実際のジャケ写



・8月

中野律紀  - 「太陽の下で」

収録アルバム:「太陽の下で」

FFXの主題歌で有名なRIKKIさん。
かつて日テレで放送されていた「日本民謡大賞」でGPを獲得した経験があります。
曲調自体は穏やかなポップソング。

画面の試合映像とのギャップが逆にシュールな印象を与えます(2回目)。


実際のED画面



・10月

マイティ井上 - 「乃木坂ナイト」

収録シングル :「エマの面影」

「エマの面影」のB面です。ムーディ。
こちらも2017年現在CDは出ていません。



1995年


・1月~5月ごろ

大橋純子  - 「あなたしか見えない」
収録アルバム:「Blue desert」


ベテランシンガー大橋純子氏の1曲。
実際のEDではサビでは無くAメロの部分が使用。

GAOの「天国と地獄の日々」と同じく2003年発売の「J プロ・格探偵団 プロレス・格闘技 秘蔵曲コレクション」に収録されました。

・7月29日

三沢川田の三冠戦(武道館)中継

Jerry Goldsmith - 「Final Game」

収録アルバム - 「ルディ 涙のウイニング・ラン オリジナルサウンドトラック




1993年の隠れた名作映画より。
戦前の武道館大会予告スポットでも使用されていました。


・8月~

media youth - 「XYZ」
収録アルバム:「spirit



金曜ロードショーでそこそこ放送される
映画「ルパン三世 DEAD or ALIVE」の主題歌でお馴染みmedia youth。
メジャーレーベル「vap」に移籍第一弾アルバムからの1曲。



・10月~

SPYKE - 「見せかけだけの強さなんて」
収録アルバム:「SPYKE

Vo,Gtの2人組によるユニットSPYKEの2ndシングルより。
翌年の1stアルバムにも収録。
番組内では収録シングルのプレゼントを行っていました。


・12月26日 年末特番

Bon Jovi - 「Please Come Home For Christmas」
収録シングル:Please Come Home For Christmas



年末特番「全日本プロレス中継グランプリ」のみ使用

曲のオリジナルはチャールズ・ブラウン
初出アルバムは1992年発売の「A Very Special Christmas vol, 2」で(名義はJohn Bon Jovi)、1995年にシングルカットされました。




1996年


・1月頃

spAed - 「LED MOON」
収録シングル:「LED MOON

44MAGNUM、LOUDNESSのメンバーが在籍したバンドの1stシングルより。
spAEdのオリジナルアルバムには未収録。
ちなみにEDのテロップでは「SPAED」表記に。


・4月頃~


出口雅之 - 「CRUSH BEAT」
収録アルバム:「Speed of Life

GRASS VALLEY、LEVのボーカルだった出口雅之のソロデビューアルバムより。アルバム発売前にシングルとして発売されています。

・7月頃~

*2018/12/31 追記
藤重政孝 - 「真夏の太陽」

収録シングル:「真夏の太陽


7月後半より使用された楽曲。
夏にピッタリの爽やかなポップソング。
後に発表されたアルバム「Rock’n Your Smile」収録の同曲はEDに使用された物とアレンジ、演奏が異なります。

・10月頃~

COCOBAT - 「GRASSHOPPER」

収録アルバム - 「Return Of Grasshopper




プロレス界隈では葛西純選手のテーマ曲「Devil」でお馴染みCOCOBAT。
ED曲の中でも屈指のヘヴィネスサウンド。激しい攻防がピックアップされる試合ダイジェストとの相性もバッチリで個人的にはかなりお気に入りです。
翌年以降も使用。


・年末特番

Level 42 - 「Tired of Waiting」



特番「年末謝肉祭」のみ使用。

EDでは当時人気セクシータレントだったゲストの城麻美さんのサイン入り写真集&ジャイアント馬場選手の本のプレゼント告知が流れていました。


城さんからサインを貰うラッシャー木村選手


1997年

*2018/12/31 追記
・4月頃~
辛島美登里 - 「初めての恋 

収録アルバム:「果実


※動画は別テイク版

COCOBATとは打って変わって、優しい歌声が織り成すしっとりナンバーの名曲。
プロレスの雰囲気にピッタリとは言い難いですが、この曲をバックにハヤブサ選手が飛び回ったり四天王がゴツゴツやり合う姿はまさしくシュール。

・6月頃~

THE DEAD P☆P STARS - 「いばらの道」
収録アルバム:「D.P.S



※動画はLIVE版

d.p.sの通称でも知られるヴィジュアル系バンドがメジャー在籍時に残したアルバムより。

この曲はインディーズ時代に発表したアルバム「SELF-VIOLENCE」収録の1曲をメジャー進出時に新録したもの。


・8月頃~

筋肉少女帯と水木一郎 - 「221B戦記」
収録アルバム:「最後の聖戦




筋少が活動休止前に発表したアルバムより、先行シングルとして発表された異色作。

同時期に放送された年末SPでは大槻ケンヂさんがゲストで呼ばれ全日の選手たちと和やかに鍋をつついていました。


ちゃっかりセンター


1998以降

*2018/12/31 追記
Kneuklid Romance  - 「Fantastic idea」
収録アルバム:「LINK


98年の1月より使用。v系バンドニュークリッド・ロマンスのメジャー初miniアルバムより。こちらもvapレーベルからの発売なので、その繋がりからの起用かと思われます。


Concerto Moon  - 「The Last Betting」
収録アルバム:「From Father To Son

プロレスフリークとしても有名なギタリスト島紀史が率いるConcerto Moonのアルバムより。
この楽曲、同時期にデビューした森嶋猛の入場テーマ曲としても使用された様で、2000年に発売された名盤「全日本プロレステーマ ベスト・オブ・ベストパーフェクトオリジナル」に「森嶋猛のテーマ」として同曲が収録されています。

ほか

1998年頃~末期になると番組タイアップとしてのEDは付かず
各選手の入場曲やプロレス関連のBGMが単発で使用されるケースがみられました。



おわりに

いかがだったでしょうか。

ワールドプロレスリングのファイティングミュージックと比べると大人の事情もあったと思いますが、マニアックな選曲やハイセンスな選曲で溢れていたと思います。

今回紹介したのは完全版ではないので、いくつか抜けがございます。

もし知ってるよ!ここ間違っているよ!という情報がございましたらお気軽にコメント欄まで。


恐らくこれが今年最後の更新のはず。良いお年を。