今回は珍しい入場シーンを発見したのでご紹介。
それは1991年、新日本プロレスの横浜アリーナ大会にて行われた グレート・ムタ vs 藤波辰爾 での出来事。この試合は2代目引田天功氏によるイリュージョンとコラボレーションするという異色のものでした。
プリンセス・テンコー |
流れとしては
”ムタ入場→藤波入場→イリュージョン→ムタのリングイン→藤波のリングイン”という形式。
リングアナのコールをうけて、大砲に乗ってやってきたムタとなぜか檻に入れられた状態で入場する藤波。
何故か囚われの身となっています!(by辻アナ) |
天功の手引きを受け、ムタが大砲の操縦席に乗り込み砲台を射出すると・・・・
大砲が発射されて・・・ |
なんと藤波が入っていたはずの折の中にムタが瞬間移動!
大音量の「MUTA」が流れる中そのまま檻をブチ破りリングインする・・・というイリュージョンが展開されました。
ドラゴン消失! |
ちなみに消えた藤波はそのあと何事もなかったかのように花道からやってきてリングイン(入場曲は「RISING」)。
こういった手の込んだ演出は当時のグレート・ムタの十八番。この試合もそういったパフォーマンスのひとつだったのでしょう。
ここで本題。この入場シーンの興味深いところはイリュージョンだけではありませんでした。
前述のようにこの試合は「入場(最初)→イリュージョン→入場(リングイン)」という流れでしたが、
ムタ・藤波ともに最初に入場したときのテーマ曲がお馴染みの「MUTA」でも「RISING」でもなく、この時しか使われていない貴重なテーマ曲だったのです。
そのレア曲はこちら↓
グレート・ムタ
映画「ガンヘッド」オリジナル・サウンドトラックより本多俊之 - 「GUNHED #1」
大砲に乗って入場したグレート・ムタの入場テーマ曲。
藤波辰爾
映画「ガンヘッド」オリジナル・サウンドトラックより本多俊之 -「GUNHED #2」
檻に入った状態で入場したドラゴン藤波の入場テーマ曲。
2曲ともに1980年代末に日本で公開され、今なおカルト的人気を誇る特撮映画「ガンヘッド」のサウンドトラックからのチョイス。
名盤 |
音楽を担当した本多俊之氏のトラックはかなり高い評価を受けており、現在でもTV番組のBGMで耳にする機会がある人気作。個人的には「Gunhed #2」はサントラ中屈指のアッパーチューンでかなりお気に入り。
イレギュラーな演出ということもあって、結果的に両者ともガンヘッドの曲で入場したのは確認出来る限りこの時1回のみでした。
加えてムタが大砲に乗り込む際にも場内に曲が流れていたのですが、それも「ガンヘッド」からの一曲でした。
それがこちら。
イリュージョン
映画「ガンヘッド」オリジナル・サウンドトラックより本多俊之 -「CHARGE」
イリュージョンの準備としてムタが大砲に乗り込むときのテーマ曲。
中の人、武藤じゃない説 |
・・・といったようにこの試合グレート・ムタ vs 藤波辰爾 は会場で流れたテーマ曲が3曲とも同じサントラ(既存曲)からの出典 という面白いケースでした。
そして最後にふと残る疑問。なぜ「ガンヘッド」のサントラがこの試合に使われたのか・・・
個人的には大砲=「ガンヘッド」というストレートすぎる理由説を推します。
では、また次回。