2014年7月24日木曜日

レア音源が再発され(てい)た2

昔のプロレスラーの入場曲は収録媒体がレコードのみだったり廃盤だったりで入手困難なものも少なくありません。しかしながら近年になって再発されたりして入手しやすくなったモノも出てきました。今回はその中からいくつか紹介しようと思います。

DADA - 「DADA」

DADA(紙ジャケット仕様)
DADA(紙ジャケット仕様)
posted with amazlet at 14.06.06
ダダ
キングレコード (2013-10-09)
売り上げランキング: 96,201

一曲目に収録されている「パーペチュアル・モーション」は80年代初頭に新日本に参戦していたスティーブ・トラヴィス選手の入場曲だったそうです。

シンセや打ち込み主体のピコピコ電子音が中心の楽曲が多く、80年代のゲームのサントラっぽいなぁという印象。
そんな中、街中のざわめきを曲中に入れたり、動物の鳴き声をイメージした音で曲を作っていたり色々と実験的な部分が見られます。
2013年、「プログレッシヴ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーヴ・コレクション」のラインナップとして再発されました。




Paul Mauriat - 「Overseas Call & Exclusivamente Brasil Vol. 3」




Vol. 3-Overseas Call & Exclusivamente Brasil
Paul Mauriat & His Orchestra
Vocalion Ltd/Dutton Epoch (2012-12-11)
売り上げランキング: 136,016


70年代、アントニオ猪木と異種格闘技で対戦した空手家キム・クロケイドの入場テーマ「FROM JUPITER WITH LOVE」、鉄人ルー・テーズが新日本の浜松アリーナ大会の入場で使用した「Soca and So On」収録。

ポール・モーリア氏は「オリーブの首飾り」という超有名曲を作曲した御方。
どうやらポール・モーリアの経歴の中でも異色な作品らしく、全体的にディスコ、ラテンといったバンドサウンドが印象的な一枚です。当時流行っていたディスコサウンドやクロスオーバーの風潮に対するポール御大の回答がこのアルバムなのかもしれません。
個人的には作中屈指の疾走ナンバー「Power Jam(Part1、Part2)」がお気に入り。

ちなみに「FROM JUPITER WITH LOVE」「Soca and So On」共に爽やかな曲なのでプロレスの入場曲っぽくないです。

2012年初CD化(輸入盤)。1980年発表のアルバム「Brasil Exclusivamente vol.3」をカップリングしたお得な一枚。



新田一郎withホーンスペクトラム - 「SAGA  冒険伝説」

SAGA / 冒険伝説 新田一郎・六番 (生産限定紙ジャケット仕様)
新田一郎 WITH ホーン・スペクトラム
マスクラット・レコード (2014-01-15)
売り上げランキング: 122,682

 スタン・ハンセンの入場曲「サンライズ」等でお馴染みのブラスロックバンド”スペクトラム”のリーダー新田一郎氏が率いるホーン・スペクトラムが1985年に発表したインストアルバム。収録曲「Son of Jupitor」は”レイザーラモン”スコット・ホール選手が80年代に新日本プロレス参戦した際の入場テーマとして使用されていました。ブラス主体としたダイナミックな旋律がカッコ良いです。イントロがZEPの移民の歌っぽい所もミソ。


CDは80年代に発売以後、廃盤となり長らくオークションサイトでプレミア価格となっていました(以前見かけた時は5000円くらいで売られてました)が、2014年待望の再発。

2014年6月13日金曜日

ワールドプロレスリングのダイジェストBGMのこと

動画サイトに一部あがっていた'96 WRESTLING WORLD in 闘強導夢』のTV中継(WPW)を観てた時のこと



ダイジェストで流れるBGMがやけにカッコいい!

すっかり気に入ったのでBGMの詳細探してみたのですがプロレステーマ曲を扱ったサイト様を探してもリストにはこのBGMの詳細は載っておらず・・・
今までのWPWではダイジェストBGMとして長らくマイケル”神”シェンカーの曲(*1)を使っていたんですが、打って変わってこの曲は打ち込みダンスチューン。


ググったりiTunesで調べたりして探した結果、この曲だと判明↓

Traci Lords - 「Control(Juno Reactor Instrumental)」




映画「モータルコンバット」の名盤サントラからの一曲です。収録されている曲は現在でもTVで時々耳にします。

他にも収録曲の「Utah Saints Take on The Theme from Mortal Kombat」は大日本プロレスの伊東竜二選手の入場曲、「Goro VS Art」は高岩竜一選手の入場曲として使われていました。

サントラの内容はダンス、ミクスチャー、メタル、コア系等の激しい楽曲で占められておりテンションを上げるのにピッタリ?な一枚になってます。
なおオリジナルのTraci Lords版はVocal有り。


余談ですけれど、この「Control」、1997年の映画「ホワイトハウスの陰謀」のTVCMの曲としても使われていました。
しかしホワイトハウスの陰謀のサントラには収録されていませんので注意です(*2)


*1 90年代初頭あたりからMichael Schenker Groupの代表曲「Into the Arena」、「Captain Nemo」が使われた。


*2 このような「既存の映画のBGMを別映画の予告やCMに使う」っていうケースは結構多い(フォレストガンプとか)。


2014年6月7日土曜日

テリーの歌よ永遠に~テリーファンクが引退記念に歌ってみた





2012年に突如として発売されたCDアルバム
ザ・プロレスリング完全版~日本プロレス激闘60年史
内容は80年代にビクターから発売されていた人気プロレスラーの入場曲を集めた企画盤「ザ・プロレスリング」シリーズの中から有名なレスラーの曲多数を集めた所謂ベスト盤。選曲も王道チョイスでプロレスファンはもちろんプロレスを知らなくても知ってるであろう有名曲が多数収録されています。でも大半がカバー音源




そんな中ボーナストラックとして「We Like To Rock」という謎の曲・・・・何とプロレスラーのザ・ファンクスのテリー・ファンクが歌う珍曲がさらりと収録されています。おそらく世界初CD化。
キン肉マンのテリーマンの元ネタ


個人的にはこの楽曲が最大のサプライズ!プロレスラーがレコードやCDを出すのは多々ありますが、まさかテリー・ファンクが歌ってるなんて思わなかったです。


プロレスラーが歌う曲と言えばあのマッチョドラゴン※1のインパクトから否応にもトンでもな仕上がりを期待してしまうんですが、テリーさんの歌声はいかほどに・・・


聴いてみると試合後のフラフラ状態でレコーディングしたのかな?と勘ぐってしまうくらい満身創痍なボーカル。もう少し具体的に言うと

・歌というか独り言に近い

・淡々としてて掴みどころがない


・所々歌うタイミングが取れてない


・音程とは


・試合中のテリーからは想像のつかないテンションの低さ。


お兄ちゃん(ドリー・ファンクJr)が歌ってるんじゃないかってくらいテンションの低さ ※2


・滲み出る無理やりやらされた感

しかしニューウェイブ的なBGMは中毒性高め。


どうしてこうなった・・・ 
何故歌わせた・・・
Amazonで視聴できます。



この珍曲「We Like To Rock」は1983年夏に日本でテリーファンクがフォーエバー引退※3した記念に発売された企画盤 「GREAT TEXAN」が初出。
当時のレコードの帯には

”プロレスマット界のスーパースター、テリーファンクのホットなボーカルアルバム!”

という変に期待を煽るコピーが。まさか、全編テリーの歌で構成されているのか・・・


「GREAT TEXAN」 1984.2 VIH-28161

収録曲
Side A  
1.Great Texan 
2.Touch Your Heart (Sayonara Boku Ienai)  
3.We Like To Rock   
4.Change Your Mind   


Side B  
1.Barbra Streisand's Nose  
2.Roppongi 
3.We Hate School 
4.Great Texan (Theme From Terry Funk) 

参加アーティスト
Guitar 山岸潤史 大出元信 船岡辰哉
Bass ロミー木下 中平エイジ
Drums 松本照夫 樋口晶之
Sax 土岐英史
Key ケイ柴田 佐山雅弘 野力奏一
etc...


未CD化

参加アーティストは日本フュージョン界を代表する面々。特にテリーファンクの入場曲「スピニングトーホールド」を作ったバンド「Creation」のメンバー樋口氏が参加している点は見逃せません。
土岐英史氏は土岐麻子さんのお父さんとしても有名ですね。
加えてテリーのマネージャーであった元ミュージシャンのジミー・ハート氏が楽曲提供、コーラス参加しています。


ニーズやら歌声やら考えると多分今後もCD化されなさそうな一枚。
しかしテリーの歌声を聴いた以上、怖いもの聞きたさで他の曲も聞いてみたいなと思わずにはいられない自分。ローマ字で日本語カタコトアピールしてるSide.A2とか、Side.B2の向井秀徳チックな「ROPPONGI」なんていうタイトルもそそられます。


そこでネットで調べてみるとなんとYouTubeに(なぜか)「We Like To Rock」以外全てアップされていました。
聴いてみると一曲(SideB.4)を除いて全曲テリーが歌い上げていました。まあそれは想定内だったのですが、”グレイト・テキサン”なのにカントリー調の曲がひとつも無いのは予想外。

曲の感想としては
・ブラスロックナンバーのSideA.1なんか普通にカッコいいですし
・メロウなムードがテリーの日本語で一気にぶち壊されるSideA.2
・イントロが某マイケルのBeat It風なSideB.1
・転調がカッコ良いロックナンバーSideB.3



・・・など聴き所が沢山。特にSideB.2の「Roppongi」がお気に入り。ほのぼのした曲調とテリーの歌声が不思議とマッチした一曲です。全体的に曲はマトモだし豪華アーティストの安定した演奏をじっくり聴いていると段々テリーの歌声も気にならなくなってくる・・・たぶん。

この「GREAT TEXAN」、歌唱力を気にしなければ普通に隠れた良盤じゃないかと思ったりします。




テリーの存在意義とは。


下に「GREAT TEXAN」の動画リンク貼ります。










トーキョー、、、ジャパン、、、Forever、、、

~SideA.2「Touch Your Heart」より








※1

※2
「テキサスの暴れ馬」というあだ名が付いちゃうくらい、リング上では狂乱ファイトが目立つテリーに対して兄ドリーはポーカーフェイスで冷静沈着なファイトスタイル。なのでどちらかと言えばお兄ちゃんの方がテンション低いイメージ。

※3
1983年8月31日蔵前国技館「テリー・ファンクさよならシリーズ」興行におけるスタンハンセン・テリーゴディvsザ・ファンクス戦で引退試合を行い、試合終了後ファンへの挨拶において
フォーエバー!」を8,9回絶叫したことから。

ちなみに一年後、いろいろあって復帰します。



2014年3月30日日曜日

高田選手の入場曲(新日参戦時代)





高田延彦選手
現役時代はひたすらストイック、引退後も知的で筋の通ったイメージを保っていますが、その一方で有田のモノマネに代表されるようなPRIDE、ハッスル(別人?)での吹っ切れ具合からネタにされている部分も否定できないです。しかしながら20年以上にわたるリング上での活躍は多くの熱狂をもたらしました。


さて高田選手の現役時代の入場テーマといば今でこそ名曲「Training Montage」ですがそれまでは紆余曲折ありインギー、ハウンドドック、果てはクラシックまでコロコロと変わっています。その数は10曲近く。


個人的にはUWF勢として新日本に参戦していた頃の曲が印象的です。
(1986年~88年)
短期間ながらも越中詩朗を筆頭に相手選手をサンドバックの如く蹴りまくる妥協ないファイトで強烈な存在感を示しました。
新日参戦時の高田選手


YoutubeにあがっているTV録画の試合動画は前田選手など先輩レスラーとのタッグマッチが多くて(大抵先輩選手のテーマが流れる)高田選手個人の入場曲が流れるシーンはほとんど見かけなかったのですが、最近高田選手個人の入場シーンが流れている試合動画を見つけて!!!嬉しくなった勢いでブログ記事書いてます。

当時使用していた入場曲は下記の2曲です。

・初期

聖飢魔Ⅱ ・・・ 「魔王凱旋」



当時デビューほやほやの聖飢魔Ⅱの1stアルバム悪魔が来たりてヘヴィメタるからの一曲。
80年代に入ってからプロレス界においてハードロックの延長としてラウドネスやアースシェイカーなどジャパニーズメタル系の楽曲がポツポツ使用されてきましたが例に漏れず?聖飢魔Ⅱの楽曲も使用されました。

フュージョン、歌謡チック、クラシック、プログレ系の様々な楽曲等が渦巻くプロレステーマ界ですが、1986年当時メタル系の曲を使用した日本人レスラーは高田選手くらいだったようです。



しかしこの「魔王凱旋」、文字通りラスボスが入場してくるようなヘヴィーな楽曲、そしてツインギターが織りなす様式美メロディが印象的で2分弱という短い曲ながらも強烈なインパクトを残しています。



この選曲、テレ朝が決めたか本人が決めたかは分かりませんが期待の若手だった高田が旧UWFを経てとにかく容赦無いファイトスタイルになって古巣に戻ってきた…という当時のシチュエーションに見立ててるんじゃないかと思ったり。とてもNHKで笑顔で園芸に勤しんでる人と同一人物とは思えません

顔面容赦なし(蹴られてるのは橋本真也!)



実際の入場では曲の最初の部分(0:00~0:12)がカットされて使用されていました。






・後期
Vince DiCola ・・・ 「WAR」



映画ロッキー4 炎の友情サウンドトラックに収録されている名曲。
劇中ではロッキーとドラコとの10ラウンド以上に及ぶクライマックスバトルにおいて流れていました。まさしくファイティングミュージック。

新日本では新UWF旗揚げの為に再度離脱するまで使用されていました。

実際の入場では編集されており前奏部分を細かく切り貼りしております。(オリジナルアルバムに準じた場合)

0:00~0:02

0:27~0:47

1:14~1:17

1:23~

といった具合になっております。終りの部分は映像では確認出来なかったので詳細な編集点は不明ですが、同一メロディが所々繰り返し使われてるので一定の位置でループしてる可能性もあるか
もしれません。



当時の試合映像(1988年・高田vs越中)



余談ですが同アルバム10曲目には後に高田選手の代名詞となる「Training Montage」が収録されています。