2012年に突如として発売されたCDアルバム
「ザ・プロレスリング完全版~日本プロレス激闘60年史」
内容は80年代にビクターから発売されていた人気プロレスラーの入場曲を集めた企画盤「ザ・プロレスリング」シリーズの中から有名なレスラーの曲多数を集めた所謂ベスト盤。選曲も王道チョイスでプロレスファンはもちろんプロレスを知らなくても知ってるであろう有名曲が多数収録されています。でも大半がカバー音源
そんな中ボーナストラックとして「We Like To Rock」という謎の曲・・・・何とプロレスラーのザ・ファンクスのテリー・ファンクが歌う珍曲がさらりと収録されています。おそらく世界初CD化。
キン肉マンのテリーマンの元ネタ |
個人的にはこの楽曲が最大のサプライズ!プロレスラーがレコードやCDを出すのは多々ありますが、まさかテリー・ファンクが歌ってるなんて思わなかったです。
プロレスラーが歌う曲と言えばあのマッチョドラゴン(※1)のインパクトから否応にもトンでもな仕上がりを期待してしまうんですが、テリーさんの歌声はいかほどに・・・
聴いてみると試合後のフラフラ状態でレコーディングしたのかな?と勘ぐってしまうくらい満身創痍なボーカル。もう少し具体的に言うと
・歌というか独り言に近い
・淡々としてて掴みどころがない
・所々歌うタイミングが取れてない
・音程とは
・試合中のテリーからは想像のつかないテンションの低さ。
・お兄ちゃん(ドリー・ファンクJr)が歌ってるんじゃないかってくらいテンションの低さ (※2)
・滲み出る無理やりやらされた感
・しかしニューウェイブ的なBGMは中毒性高め。
どうしてこうなった・・・
何故歌わせた・・・
※Amazonで視聴できます。
この珍曲「We Like To Rock」は1983年夏に日本でテリーファンクがフォーエバー引退(※3)した記念に発売された企画盤 「GREAT TEXAN」が初出。
当時のレコードの帯には
「”プロレスマット界のスーパースター、テリーファンクのホットなボーカルアルバム!”」
という変に期待を煽るコピーが。まさか、全編テリーの歌で構成されているのか・・・
「GREAT TEXAN」 1984.2 VIH-28161
収録曲
Side A
1.Great Texan
2.Touch Your Heart (Sayonara Boku Ienai)
3.We Like To Rock
4.Change Your Mind
Side B
1.Barbra Streisand's Nose
2.Roppongi
3.We Hate School
4.Great Texan (Theme From Terry Funk)
参加アーティスト
Guitar 山岸潤史 大出元信 船岡辰哉
Bass ロミー木下 中平エイジ
Drums 松本照夫 樋口晶之
Sax 土岐英史
Key ケイ柴田 佐山雅弘 野力奏一
etc...
未CD化
参加アーティストは日本フュージョン界を代表する面々。特にテリーファンクの入場曲「スピニングトーホールド」を作ったバンド「Creation」のメンバー樋口氏が参加している点は見逃せません。
土岐英史氏は土岐麻子さんのお父さんとしても有名ですね。
加えてテリーのマネージャーであった元ミュージシャンのジミー・ハート氏が楽曲提供、コーラス参加しています。
ニーズやら歌声やら考えると多分今後もCD化されなさそうな一枚。
しかしテリーの歌声を聴いた以上、怖いもの聞きたさで他の曲も聞いてみたいなと思わずにはいられない自分。ローマ字で日本語カタコトアピールしてるSide.A2とか、Side.B2の向井秀徳チックな「ROPPONGI」なんていうタイトルもそそられます。
そこでネットで調べてみるとなんとYouTubeに(なぜか)「We Like To Rock」以外全てアップされていました。
聴いてみると一曲(SideB.4)を除いて全曲テリーが歌い上げていました。まあそれは想定内だったのですが、”グレイト・テキサン”なのにカントリー調の曲がひとつも無いのは予想外。
曲の感想としては
・ブラスロックナンバーのSideA.1なんか普通にカッコいいですし
・メロウなムードがテリーの日本語で一気にぶち壊されるSideA.2
・イントロが某マイケルのBeat It風なSideB.1
・転調がカッコ良いロックナンバーSideB.3
・・・など聴き所が沢山。特にSideB.2の「Roppongi」がお気に入り。ほのぼのした曲調とテリーの歌声が不思議とマッチした一曲です。全体的に曲はマトモだし豪華アーティストの安定した演奏をじっくり聴いていると段々テリーの歌声も気にならなくなってくる・・・たぶん。
テリーの存在意義とは。
下に「GREAT TEXAN」の動画リンク貼ります。↓
トーキョー、、、ジャパン、、、Forever、、、
~SideA.2「Touch Your Heart」より
※1
※2
「テキサスの暴れ馬」というあだ名が付いちゃうくらい、リング上では狂乱ファイトが目立つテリーに対して兄ドリーはポーカーフェイスで冷静沈着なファイトスタイル。なのでどちらかと言えばお兄ちゃんの方がテンション低いイメージ。
※3
1983年8月31日蔵前国技館「テリー・ファンクさよならシリーズ」興行におけるスタンハンセン・テリーゴディvsザ・ファンクス戦で引退試合を行い、試合終了後ファンへの挨拶において
「フォーエバー!」を8,9回絶叫したことから。
ちなみに一年後、いろいろあって復帰します。
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