2013年12月25日水曜日

UKロックとプロレスミュージック

数少ない読者の友人O君から「UK(関連)使われてたら記事にしてほしいわ!」というリクエストが。

プロレスに使われる曲ってフュージョンやプログレ、時が経つにつれてロックやメタル系、あるいはテクノといったようになんでもありのカオスなんですが、ブリットポップ(死語)やらの楽曲ってプロレス関連だとあんまり印象ないなーという印象。
ディープパープルZEPのようなハードロック系は多用されているけど、それ以外のUKロックがプロレス界隈に使われてるのって意外と少ないかも、と思ったり。実際はどうなんだろう?という興味も湧いてきたところで今回は「プロレスとUKロック」をテーマに書きます。


もちろんググっても「プロレスとUKロックについて」の記事なんてないので、ネットで拾った情報などをもとに英国出身のバンドごとにプロレス関連で使用された楽曲をざっくりまとめてみます。
(ZEP、ディープパープル、プログレ系は別の機会に)



個人的メモ兼ねた記事なので紹介してるバンドの偏向はご了承ください。
「このバンドの曲○○の入場で使われてたよ」など情報があれば是非是非。
アルファベット順です。



Arctic monkeys

 

・「When The Sun Goes Dow」 - プリンス・デヴィット選手のテーマ曲
UK出身にして新日本プロレスで大成功を収めているプロレスラー、プリンス・デヴィット選手。長年ベストキッドの曲を使っていましたがそれ以前の入場に「When The Sun Goes Dow」を使用していました。アクモン使ってたとは意外!

デヴィット&篠崎愛

ちなみにアクモンの前はビースティーボーイズの「Ch-Check It Out」を使用してました


Beatles




・「Helter skelter」 - ジョニースミス選手(全日)のテーマ曲
最近沢尻さん主演の同名映画がありましたね。ビートルズ屈指のヘビーチューン。
ブリティッシュな雰囲気を醸し出すジョニー・スミス選手、以前は桜庭選手と同じテーマ曲(小室哲哉のSPEED)でしたが被りを避けるために変更したんじゃないかなと勝手に思ってます。

・「Mr.Moonlight」 - ミスタープロブレム選手(全日)のテーマ曲のイントロ部分
偽ケンドーカシンことミスタープロブレム選手。
冒頭の「ミスタァァァァァ!」を使ってました

・「Back in The USSR」 - ザ・USSR選手(国際プロ)のテーマ曲
・「REVOLUTION」 - 龍原砲(天龍源一郎&阿修羅原)のテーマ曲

プロレステーマ曲リスト様から。
ただし映像が確認できない等、本当に使われたのかは謎です。でも本当だったら面白いな・・・笑


・Blur




Song2」 - ダグ・ウイリアムス選手のテーマ曲
スポーツの定番曲ですが入場曲としては、英国出身のダグ選手くらいしか使っていないという。
ヒューヒューてんやわんやな曲調とは裏腹にダグ選手は職人タイプの技巧派レスラーなので割と試合内容は地味です。

またBlurのベーシストが楽曲提供&参加したバンド、Fat les「Vindaloo」はダグ選手と後述のナイジェル・マッギネス選手の日本限定入場曲として使用されていました。一応サッカーの非公式応援ソングです。




・The Cribs




・「Hey Scenesters」 - ザック・セイバーJr選手の入場曲
プロレスと関わりなさそうだな~と思っていたクリブスも使われていました。
ザックセイバーJr選手は最近NOAHのGHCJrタッグ獲りました。


Kasabian 




・「Days a Forgotten」 - WWEのTLC2011の公式テーマソング



サビアン使われてたとは!


・The Libertines




・「What a waster」  - ダニー・ハヴォック選手のテーマ曲
これも意外!来日時(大日本プロレス)はDuran Duranでした。
ハードコア―ファイターなんで血が苦手な人はダニー選手の名前をググらない方がいいかも


OASIS




・「Fuckin' in the Bushes」 - ナイジェル・マッギネス選手のテーマ曲
他バンドとの壮絶なる対立、兄弟同士の果てしのない喧嘩など存在そのものがプロレスなOASIS。
OASISとプロレスとの繋がりってあるんだろうか?結構興味あったんですけど調べてみたら英国出身のナイジェル選手が使っていました。

・Sex Pistols




シド・ヴィシャスと同姓同名のシッド・ビシャス選手がいらっしゃいます。(ちなみに初来日時の入場テーマはホワイトスネイク

・THE Stone Roses





・「Driving South」 - 高阪剛選手の入場テーマ
マンチェスタームーブメントの立役者?ほっといただけでプロレス始めちゃいそうなThe Stone Roses。
専大OBにして総合格闘家の世界のTK、高阪選手の入場曲として有名です。新日本プロレスに参戦した際にも同曲を使って入場していました。非常にノリが良く気持ちよく入場できそうな曲です。
実際の入場においても無編集で使用していました。
プロレステーマミュージックのコンピレーションCD「Wrestle Hits」にも収録されています。


・QUEEN


・「Football Fight」 - ブラックタイガー(初代、4代目、5代目)選手の入場テーマ
映画「フラッシュゴードン」からのインスト曲です。今回挙げた曲の中でもプロレスファンにとってはもっとも馴染みがあるんじゃないでしょうか。1982年の初登場以降から現在に至るまでブラックタイガー選手の代名詞として大会場で流されています。

4代目ブラックタイガー選手


ちなみに4代目以降から虎の咆哮がイントロに追加されてます。

・「We Are The Champion」 - キング・オブ・レスリング(クリス・ヒーロー&クラウディオ・カスタニョーリ)
ROHが生んだ名タッグ、キング・オブ・レスリングの初期入場テーマ。

この曲には思い入れがあって、クリス・ヒーロー選手の初来日戦(ディファ有明)を当時会場で観戦してました。大会のセミファイナル、飛行機トラブルで開幕戦に出られなかったヒーロー選手がウィーアーザチャンピオンのメロディーに乗せて入場、満面の笑みを浮かべてトップロープでアピールしていた姿(絶対こいつ良い人だろ・・・!)。スーパーマンっぽい謎コスチューム、ロンゲにレスラーとしてはヒョロッとした体格(あやしい・・・!)。
これ程戦う前から若干の不安(もとい期待)と悲壮感を漂わせる選手がいるなんて!と当時高校生の自分に強烈なインパクトを与えたのでした。

試合はヒーロー選手が普通に負けました。


・「We Will Rock You」 - 色んなレスラー(適当)
定番中の定番。多くのレスラーが使用しています。特にメキシコのレスラー勢(ルチャドール)が頻繁に使用している印象があります。

ちなみにQUEENのギタリスト、ブライアン・メイの楽曲「Cyborg」(ソロアルバム「Another World」収録)は90年代総合格闘技スタイルで新日に参戦していたブライアン・ジョンストン選手の入場テーマでした。



調べてみると大抵使用しているレスラーはやっぱり英国出身の方が多いです。当たり前と言われればそれまでですが、この曲使われてるんだ!といった発見や、むしろこの曲使われてないんだ!といった驚きが個人的な収穫でした。

ストーンズやクラプトンとか有名アーティストも残ってるけど今回はこの辺で。つかれた・・・

おまけ。平成版ジョー・ディートン?、クリス・ヒーロー選手のブログ(日本語!)

2013年12月23日月曜日

レア音源が再発された

こんばんは。


タワレコやディスクユニオンなどの大手CD屋にふらっと寄ってみると今まで入手不可能だったアルバムタイトルが再発やら初CD化されて棚に並んでいる訳です。


そのタイトルの中に時たま長年探し求めてたプロレス関連のレア音源が収録されたレアなアルバムが含まれていたりします。


こういうレア音源って中古で見かけても高値!、というかそもそも見かけない!
とかそういった類がザラなのでCD屋で出くわした時の喜びたるや。

しかし、多くはマイナーな存在ゆえに「これ需要有るんだ・・・」といらぬ心配もしちゃったりします。



今回はその中からいくつか紹介します



Johnny pate - 「Shaft in Africa」(「黒いジャガー アフリカ作戦」オリジナルサウンドトラック)




一曲目の「You Can't Even Walk In The Park」は70年代に上田馬之助選手、ザ・モンスターマンのテーマ曲に使われていました。ファンキーで本当カッコ良いです。
国内初CD化! 2014年1月23日までの生産です。中身のライナーノーツはDJ MUROさんが本アルバムの思い入れを語る内容になってます。もちろんプロレスの「プ」の字も出てきません。



中島優貴 - 「大予言~ハート・オブ・ルネッサンス~





伝説のバンド「HEAVY METAL ARMY」のリーダーにして、秋山準選手の入場曲を手掛けるキーボーティースト中島優貴氏の初ソロアルバム。
10曲目の「グランドクロス」は全日本プロレス(ジャイアント馬場存命時代)の大森隆男選手、80年代に新日本に参戦していたロジャー・スミス選手のテーマ曲に使われていました。


アルバムのコンセプトが「ノストラダムスの大予言を巡る一大叙事詩」という点で中々アレです。曲タイトルも「エルサレムの巡礼」、ハレー彗星来襲…神経衰弱」と上級者向けな仕上がりになっています。
そして「グランドクロス」は参加アーティストが非常に豪華です。


Gt.山本恭司(Bowwow、Vowwow)
Ba.佐久間正英(GLAY、ジュディマリ、黒夢etc..のプロデュース、四人囃子)
Dr.樋口宗孝(ラウドネス)

このメンツを揃えて圧倒的な自己主張キーボードサウンドを展開してます

20年前に一瞬CD化されてから長らくレア盤になってましたがこのたび再発。
2014年5月5日までの生産



Eastern Orbit - 「Future Force







中島優貴つながりで彼がリーダを務めるバンド「HEAVY METAL ARMY」がメンバーチェンジを機にバンドを「Eastern Orbit」と改名した後のアルバム。
HMAで強烈なハードロックギターを弾いてたシンキの脱退を経た本作はキングクリムゾンのカバー、SF的コンセプトを感じる楽曲群など、プログレに傾倒した内容になっています。


1曲目の「Space Strut」はプロレスリングNOAHの浅子覚選手の入場曲(原曲)でした。
宇宙を感じさせる半インスト曲ですが、なんと中島氏本人が直々にこの曲をセルフカバー、タイトルも「S.D.A」と改題したものを浅子選手のテーマ曲として提供しています。
「Space Strut」の時点ですでにヘヴィーだった演奏が「S.D.A」では音圧、ソロ共々圧倒的になっています・・・!(でもこのVerが入ったCD「DEPARTURE」は絶賛廃盤中)


このアルバムもなかなか見かけませんでしたがめでたく再発。




ちなみこの「Future Force」に限らずイースタン・オービット、ヘビーメタルアーミーのアルバムには当時の中島氏本人の自画自賛解説が収録されてました。京大出身(中退)という肩書を持ちながら文頭に「So!(つまり!)」を多用する、最初普通だったけど徐々に勝手に盛り上がる(いきなり命令口調になる)、など中々ぶっ飛んだ人柄が伺える内容になってます。




オジー・オズボーンとテーマ曲 ヘルレイザーズ編


前回の続きから今回もオジー・オズボーン関連のテーマ曲です。
今回はロード・ウォリアーズに並ぶオジーの楽曲を入場テーマ曲としたレスラー(チーム)、
ヘルレイザーズの紹介です。
ヘル・レイザーズとは1990年代前半に新日本プロレスのタッグ戦線において大活躍したホーク・ウォリアー&パワー・ウォリアー(佐々木健介)のチームの名称です。


ロード・ウォリアーズ、L.O.Dとして世界中大暴れしていたアニマル・ウォリアー&ホークウォリアー。
しかしにアニマルの脊椎の怪我によるアクシデントによってふたりのタッグは活動を停止せざるを得ない状況になりました。しかし1992年、海外遠征していた佐々木健介とホークとの電撃的な出会いによって「ヘルレイザーズ」が結成されました。


結成後の初来日戦(1992,11/23両国)では長州力・馳浩の専大最強OBタッグを瞬殺、その後IWGPタッグベルトもあっさり奪取と、瞬く間に新日マット上において敵なしの活躍(40連勝!)ぶりを見せました。


・〇〇・ウォリアー
・試合は秒殺
・顔面ペイント&ツノプロテクター
・必殺技はダブルインパクト
・とりあえず力で押し切る
etc....

といったようにヘルレイザーズはロード・ウォリアーズとほぼ同じスタイルで活動していました。
入場テーマ曲も例に漏れず、ロード~同様オジー・オズボーン楽曲を使用していました。

初来日戦での入場テーマ曲はブラック・サバスの名曲「Paranoid」。
実際の入場シーンでは無編集で使用されていました。

Black Sabbath - 「Paranoid」


初来日戦!(0:53~入場シーン)

「Iron Man」を使用しなかったのはロードウォリアーズとの差別化を図ったためだと考えられます。
「Iron Man」のスローでへヴィーな印象とはうって変わって「Paranoid」は全編アップテンポなので、後々の躍進を物語るような勢いを感じさせます。



程なくして正式にタッグチーム名が「ヘルレイザーズ」と決定したことを機に入場テーマを変更することになります。変更した入場テーマ曲はオジー・オズボーンの「Hellraiser」、チーム名にあやかった選曲です。これ以降「Hellraiser」はヘルレイザーズの入場テーマ曲として定着することになります。
実際の入場においては無編集で使用されておりました。



Ozzy Osbourne- 「Hellraiser」



実際の入場シーン(0:33~)

まんまのタイトル、イントロから漂う不気味な雰囲気、大会場向けな重低音サウンド、ザック・ワイルドのいちいちカッコいいギター、初めて聴いても口ずさめるような分かり易いサビ・・・などヘルレイザーズの入場にドンピシャな曲だと個人的に思ってます。何よりかっこいい!



その後2003年にホークが46歳の若さで急逝。ヘルレイザーズの再結成は叶わなくなりましたが、2007年12月に健介オフィスの有明大会でアニマル・ウォリアーと佐々木健介のドリームタッグが実現しました。その際タッグチームは「ヘル・ウォリアーズ」、入場テーマ曲もロード・ウォリアーズの「Iron Man」と「Hellraiser」の2曲合体(交互に音源を流す)といった感激モノの仕様でありました。



このように日本では頑なにオジーの楽曲を使い続けるこだわりよう・・・。
やはりオジーの楽曲はウォリアーズには欠かせない要素の一つなのかもしれません。


ちなみに「Paranoid」と「Iron Man」は2曲ともBlack Sabbathのアルバム「Paranoid」に収録、「Hellraiser」はOzzy OsbourneのアルバムNo More Teares」に収録されています。